結論:フードの切り替えは、今のフードに新しいフードを少しずつ混ぜて、7〜10日かけて割合を増やすのが基本です。途中で食べない・吐く・便がゆるいが出たら、先へ進めず一段戻す。続くなら切り替えを止めて動物病院へ、が安心の順番です。
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年齢に合わせて、体重管理のために、あるいは「今のフードをどうも気に入っていない気がする」から。フードを変える理由はいろいろですが、いざ新しい袋を開けた日に「一口かいでプイッ」とされると、途方に暮れてしまいます。
この記事では、切り替えの基本になる混ぜる比率の目安、途中で食べなくなったときの戻し方、吐く・下痢が出たときの中止基準、年齢や体重による考え方を、順番に見ていきます。「食べたり残したり」が気になる方は、ムラ食いの記事とあわせて読むと、切り替えの話と混ざらずに整理できます。
もくじ
猫は食べものを、味以上ににおいで判断しているといわれます。昨日まで慣れ親しんだにおいの器に、今日からまったく別のにおいのものが入っていたら、警戒して口をつけないのはむしろ自然な反応です。「新しいフードが嫌い」なのではなく、「知らないものに慎重」なだけ、というケースはとても多いです。
もうひとつは、おなかの都合です。急に中身がガラッと変わると、吐いたり便がゆるくなったりする子がいます。少しずつ混ぜて割合を増やしていけば、においにもおなかにも「慣れる時間」を用意できます。
混ぜて出すと、新しいフードにも「いつものにおい」がうつります。猫にとっては「知っているごはんの中に、少し違うものが混ざっている」程度に感じられるので、警戒のハードルがぐっと下がります。同時に、おなかが受け取る変化も小さくなる。少しずつ混ぜるやり方は、この2つを同時にやっている、と考えると覚えやすいです。
よく使われるのは、2〜3日ごとに新しいフードの割合を一段ずつ増やしていく進め方です。「今のフード:新しいフード」を 3:1 → 2:2 → 1:3 → 全量の4段階で、合計7〜10日。目安を一覧にしました。
| 日数の目安 | 今のフード | 新しいフード | ここで見ておくこと |
|---|---|---|---|
| 1〜3日目 | 75% | 25% | においを嫌がらず口をつけるか。残す量は今までと同じくらいか |
| 4〜5日目 | 50% | 50% | 便の状態(ゆるくなっていないか)。吐いていないか |
| 6〜7日目 | 25% | 75% | 食べる量とペースが落ちていないか。水を飲んでいるか |
| 8〜10日目 | 0% | 100% | 全量にして2〜3日、食欲と便が安定しているか |
割合はきっちり量らなくても大丈夫です。「4分の1くらい」「半分くらい」で十分。数字より大事なのは、段階を上げるたびに「食べている・便が安定している」を確認してから次に進むことです。
切り替えを始めるのは、引っ越しや来客、ワクチンの予定などがない「いつも通りの週」がおすすめです。環境の変化とフードの変化が重なると、食べない理由がどちらなのか分からなくなります。
途中で食べ渋りが出るのは、よくあることです。ここで「もう混ぜてあるんだから食べるでしょ」と割合を進めてしまうのがいちばんのつまずき。食べなくなったら、割合を一段戻して、そこで2〜3日様子を見る。これが基本の戻し方です。
一段戻しても食べないときは、新しいフードをいったん外して、今のフードだけに戻します。切り替えの失敗ではなく、「今回は早すぎた」だけです。数日おいて落ち着いたら、前回よりさらに少ない割合(1割程度)から再スタートしてみてください。
「新しいフードが嫌なのだ」と決める前に、ムラ食いの記事でも触れている基本のチェックを一度通してみると、別の理由が見つかることがあります。
それでも食べない日が続き、元気がない・水を飲まないなどの変化が重なるときは、「切り替えのせい」と決めつけず、動物病院に相談してください。切り替え中は体調の変化に気づきにくくなりがちなので、迷うときほど早めが安心です。
切り替え中に吐いたり便がゆるくなったりすると、とても心配になります。ここで大切なのは、自己判断で「これくらいなら平気」と決めつけないことです。とはいえ、すべてを病院に、というのも現実的ではないので、「いったん止める」「様子を見る」「相談する」の目安を整理しておきます。
| 様子 | 切り替えの扱い | 次の一歩 |
|---|---|---|
| 1回吐いたが、その後は元気で食べている | その段階で止めて、割合を一段戻す | 2〜3日様子を見て、落ち着いていればゆっくり再開 |
| 便がややゆるい。元気・食欲はある | 割合を進めず、その段階を長めに | 数日で戻らなければ、今のフード100%へ戻す |
| 吐く・下痢が2日以上続く | 切り替えを中止し、今のフードのみに | 続くなら動物病院へ相談 |
| 元気がない・水を飲まない・便や吐いたものに血が混じる・ぐったりしている | 切り替えの問題として扱わない | 様子見をせず、動物病院へ |
猫は毛玉などで吐くこともあり、切り替えと関係ない場合もあります。だからこそ「フードのせい」とも「フードのせいではない」とも、家では決めきれません。吐く・下痢が続く、あるいは元気のなさが重なるときは、切り替えを止めて動物病院へ。これだけは覚えておいてください。相談するときは、切り替えを始めた日・いまの割合・吐いた回数をメモして持っていくと、話が早く進みます。
同じ「切り替え」でも、その子のライフステージによって、急ぐべきところと慎重にすべきところが少し変わります。
子猫用から成猫用へ、といった切り替えは、多くの場合フードのパッケージや公式サイトに目安の時期が書かれています。成長期はおなかがまだデリケートで、便の変化が出やすい時期でもあるので、目安の日数より少しゆっくりめでも構いません。食べる量そのものが減っていないかは、成長期ほどていねいに見てあげたいところです。
体重管理を目的とした切り替えで多い失敗が、「フードを変えるのと同時に量も減らす」こと。フードの変化と量の変化が一度に来ると、猫の側からは「急に満足できなくなった」と感じられ、食べ渋りや催促につながります。まずはフードだけを切り替え、落ち着いてから量を調整する順番が無理がありません。給餌量は、必ず公式サイトやパッケージの体重別の目安を基準にしてください。
年齢を重ねた子は、においへの感度や食の好みが変わってくるといわれ、若い頃より「知らないもの」への警戒も強くなりがちです。2〜3週間かけるつもりで、いつもより小さな刻みで進めるのが安心です。また、シニア期の食欲の変化は体調と重なりやすいので、切り替えを始める前に、かかりつけの動物病院に一言相談しておくと、「食べないのは切り替えのせいか、そうでないか」を判断しやすくなります。
体重の大きい子・小さい子で日数を変える必要は基本的にありません。変わるのは1回あたりの量で、「割合の進め方」は同じです。量の目安は、パッケージや公式サイトの体重別の表を基準にしてください。
当ラボの診断では、猫の性格を5つのタイプに分けています。「新しいもの」への向き合い方はタイプで傾向が違うので、切り替えのつまずきポイントも変わってきます。
新しいフードそのものより、「ひとりで知らないものを食べる」のが不安なタイプ。切り替え中の食事のときは、近くに座って見守るだけで口をつけることがあります。
食にも保守的で、切り替えに敏感な子が多いタイプ。7〜10日にこだわらず、2〜3週間かけるつもりで。最初の割合は1割程度から始めると、警戒されにくくなります。
好奇心が強く、新しいにおいにも比較的前向きなタイプ。つまずくとすれば「食事の前にひと遊び」が足りていないとき。狩り→食事の流れを作ると、新しいフードにも気分が乗りやすくなります。
気分次第の食べ方で、切り替え中の食べ渋りがいちばん出やすいタイプ。一段戻す・少しおいて再開、を根気よく。「食べない日があっても翌日食べていれば進んでいる」と考えると気が楽です。
新しいフードを嫌がっているのではなく、途中で飽きて離れているだけのことが多いタイプ。切り替え中は1回分を少なめにして回数を分けると、「食べた量」が見えやすくなります。
うちの子がどのタイプかは、いくつかの質問でだいたい見えてきます(無料の性格タイプ診断はこちら・60秒・登録なし)。
切り替え中に食べ残しがあると、つい「新しいフードがダメだった」と結論づけたくなります。でも、猫はもともと少量を何回にも分けて食べる動物。「1回で完食しない」は、切り替えとは関係なく、ふだんから起きていることかもしれません。
見分けるコツは、「切り替え前と比べてどうか」で見ることです。切り替え前から食べたり残したりしていたなら、それはその子の食べ方で、フードの問題ではない可能性が高い。切り替えを始めてから、明らかに口をつける回数や量が減ったなら、こちらは切り替えのペースの問題として、一段戻す対応が向いています。
ムラ食いそのものの理由や、におい・器・場所の見直しについては、「ごはんのムラ食い・好き嫌いはワガママじゃない」で詳しくまとめています。切り替えの前に一度読んでおくと、「食べない」の原因を切り分けやすくなります。
問題ありません。7〜10日はあくまで目安で、警戒心の強い子やシニアの子は2〜3週間かけることもよくあります。大切なのは日数を守ることではなく、「食べている・便が安定している」を確認しながら進めることです。途中で足踏みしても、無理に先へ進めず、うちの子のペースを優先してください。
基本の考え方は同じで、今のフードに新しいフードを少しずつ混ぜて割合を増やしていきます。ただし食感やにおいが大きく変わるぶん、警戒されやすいので、いつもよりゆっくりめが安心です。ドライへ寄せていくときは、飲む水の量が減っていないかもあわせて見てあげてください。
そうとも限りません。体調が今ひとつなときや、環境が変わったタイミングで出したフードを「嫌なもの」として覚えてしまうことはありますが、しばらく期間をあけて、落ち着いているときに少量から出し直すと、あっさり食べることもあります。ただし、何度試しても口をつけない場合は、その子には合わなかったと考えて、別の選択肢に切り替えるのも立派な判断です。
この記事のまとめ
「切り替え先をこれから決める」段階なら、嗜好性と栄養バランスの両立をうたうフードから候補を絞るのも一つの考え方です。モグニャンキャットフードのような選択肢もありますが、猫の好みはそれぞれなので、合う合わないはあります。切り替えるときは、この記事の手順どおり、うちの子の反応を見ながら少しずつ試してみてください。
※価格・原材料・給餌量は必ず公式サイトでご確認ください。フードの切り替えは7〜10日かけて少しずつ。
※本記事は一般的な猫の習性と暮らし方の紹介であり、医療的な判断を示すものではありません。吐く・下痢・食欲の変化が続くときや、体調が気になるときは、動物病院にご相談ください。